「不当解雇と労働審判」
 私の体験メモ

嘘の解雇理由との戦い

労働審判1週間くらい前に会社側からこちら側の主張に対する反論(答弁書・陳述書・証拠)が届きました。30ページ近くあり、半分くらい何が主張したいのか良く分からなかったのですが、解雇理由証明書に書かれていた解雇理由よりもかなり解雇理由がこまごまと増えていました。勿論全て嘘の解雇理由です。
上司からパワハラを受けた挙句に解雇されたのは私の方なのに、私の人格に問題があったなんて書かれていましたので、ボイスレコーダーで上司との会話を録音しておけば良かったと思いました。

増える嘘の解雇理由


日本では正社員は簡単に解雇出来ないと言われていますので、何も悪いことをしていない社員を会社が解雇理由で嘘をついたとしても解雇するのは難しいのかもしれませんから、あまり根を詰めて反論する必要もないのかもしれませんが、(会社側の嘘のうまさにもよるとは思いますが。)自分は慎重で心配性な性格もあり、30ページ近くの会社側の解雇理由1つ1つにそれが嘘であるとの説明を作成しました。(補充書面・陳述書・証拠)
勤続年数にもよると思いますが、労働審判近くになって解雇理由が多く追加され、とにかく量が多いので反論に苦労する人は多いのではないかなと思います。
会社側としては、とにかく解雇理由を多くして労働審判で解雇有効にしたいという目論みと、沢山の解雇理由で労働者に反論する意欲を無くさせたいという目論みがあるのかもしれません。30ページも解雇理由が届くと反論するのが少し面倒くさくなりましたが、反論せず解雇される訳にはいかないので気を取り直して反論書を作成しました。
ただ、会社側の意図とも関係なく、法律上それ相当の解雇理由がなければ解雇することは出来ませんから、どうしても解雇理由が多くなってしまうのかもしれません。
嘘だらけの解雇理由だと矛盾で嘘がばれることがあるらしく、特に量が多いほど矛盾が発生しやすくなるらしいので、逆にチャンスかもしれません。
ちなみに私の相手方の会社は矛盾だらけで嘘がばれて自爆しました。あまり嘘が上手な会社ではなかったようです。

解雇理由は嘘なのが普通?

会社側の主張する解雇理由が嘘ばかりなのに憤りを感じましたが、裁判所の「労働審判手続申立書(地位確認等)」のフォーマットも会社側の解雇理由が嘘であることが前提になっていましたので、裁判所も会社側の解雇理由が嘘なのはいつものことと思っているのかなと思うと少し気持ちが楽になりました。

解雇理由は嘘なのが普通

とんでもない嘘はあまり言ってこないかも。

「会社のお金を着服した」とか「上司を殴った」とかとんでもない嘘を会社が言ってきたらどうしようかと不安でしたが、とんでもない嘘を言ってくるケースは少ないらしく、「仕事ぶりに問題があった」とか「人格に問題があった」「協調性がなかった」といった無難な嘘をついてくることが多いようです。

会社側の反論への反論!

嘘は気になるけど、まずは基本の確認。

まずは基本の確認

会社側の嘘だらけの解雇理由は気になりますが、まずは書かれている解雇理由が仮に本当だとしても解雇理由として正当・妥当かどうかチェックをしました。
ちなみに私の相手方の主張は解雇理由としてほぼ正当・妥当ではありませんでした。下記に大まかにポイントを書きます。(※間違っているかもしれないので正確な情報や不明な点は弁護士さんに確認してね!)
いろいろな弁護士事務所などのサイトでもNG・無効な解雇理由について詳しく説明されているサイトもありますので、そちらも検索して参考にされるとよいと思います。
解雇理由が法律に違反していないか。
業務上の怪我などの治療の為に1年とか休んでいても解雇できないなど、法律で解雇が禁止されているものもあります、詳細や他もいろいろ法律で禁止されている解雇理由があるから労働基準法とかチェックしてね!
解雇理由が客観的に合理的な理由で社会通念上相当であるか。
従業員に何か問題があったとしても、解雇する程の問題だったのか。 業務能力などに問題があったとしても、会社が繰り返し指導や注意を行わずにいきなり解雇するのはNGです。
就業規則に違反していたか。
少人数の会社は就業規則がない場合もありますが、金髪だったから解雇したとか、副業してたから解雇したとか会社独自の解雇理由は就業規則をすぐに確認。
就業規則に違反していたとしても、その就業規則のことをきちんと会社側が従業員へ周知していたのか、解雇理由として社会通念上妥当なのかも労働審判などで争点になります。
就業規則が見れない場合は、行政文書開示請求するか(早くて1ヵ月ちょっとかかります。)、その会社の社員の証明ができれば労働基準監督署で見せてもらえることもあるみたい・・・。(私の地域では労働基準監督署では公開していませんでした。)

説得力で勝負!

メールやボイスレコーダーの録音など明らかな証拠があれば良いのですが、無くて困っているという人が多いと思います。ただ労働審判では「実際に職場に行って見たりして確認はしないから書類や口頭で説明して下さい」というスタンスなので一概に確実な証拠がないから主張が無効になるというわけではないと思います。私の会社の嘘には、会社のフロアの構造など実際に会社に行って確認すれば嘘だと分かるものがいくつかありました。会社の建物の構造はそう簡単に変更できませんから、写真など無くても「それは嘘です、会社に行って見て頂ければ分かります」と反論すれば、裁判官なども「実際に行って見てみれば嘘かどうか分かるから、どうも会社側の主張は嘘かもしれない」と感じてくれるかもしれません。
業務能力に問題があるという嘘も実際に職場での仕事ぶりを見てもらえれば他の社員と遜色なく仕事ができることが証明できますが、労働審判では残念ながら裁判官に実際に職場に行って仕事ぶりを見てもらう事はできませんが、問題なく働いていたことを説明した上で、実際に職場に行って見てもらうことができたら嘘でないと証明できますと付け加えれば説得力があると思いました。私はそこまでしませんでしたが、そこまで主張してもよかったと思いました。
ちなみに日本の法律では社員が少し仕事ができないくらいでは解雇できないので、会社側は労働者側を解雇する為に、かなり労働者側が仕事ができなかったと主張する必要があり、自分は他の従業員と同じくらい仕事をしていました、とか、多少はミスをすることはありましたが会社が言うような大きなミスをしたり度々ミスをするようなことはありませんでしたと主張するのは、だいぶ会社側の主張と労働者側の主張に差があり、労働者がかなり仕事が出来なかったという会社側の主張は信憑性に欠けることになると思います。
問題なく仕事をしていたと分かるような、社内やお客様とのメールのやり取りなど具体的な証拠もあるとよいと思いますので、そういったメールは確保しておくとよいと思います。

会社側の主張に矛盾がないかチェック!

ちなみに私の相手方の会社は会社自身のついた嘘でほぼ自滅しました。
会社側の提出した「解雇理由証明書や答弁書・陳述書・証拠」をよく確認して、会社側の主張に第3者から見ても明らかな矛盾などがあり嘘を証明することができれば会社側に大きなダメージになるかもしれません。

会社側の違法行為などを指摘して信用度を下げる作戦。

私は一応復職を希望していたので、なるべく穏便に済ませたいと思い、就業規則を見せてもらっていないことと雇用契約書を貰っていないこと以外は会社の違法行為などについて指摘するつもりはありませんでしたが、会社側の答弁書や陳述書で私の悪口が大量に書かれていたので、もう会社も本当に私に対して悪意があるのだと思い会社の違法行為などを指摘しました。
私の労働審判でも「前に解雇した人はどういう理由で解雇したの?」と審判員に会社側が聞かれて解雇理由を答えられなかったりしていたので、やはり日頃から違法行為をしている会社ということを指摘することは会社側の信用を下げるなどの効果があるかなと思います。
※以下の情報は間違ってるかもしれないので正確な情報や不明な点は弁護士さんなど専門の方に確認してね!

就業規則を見せてもらったことがない。
解雇理由で就業規則に違反したと指摘していますが、就業規則を見せてもらったことも説明を受けたこともありません。
(労働基準法 第106条 周知義務の怠り。)

雇用契約書・労働条件通知書を貰っていない。
雇用契約書も労働条件通知書ももらっていないし、労働契約期間・業務内容・退職・解雇に関する事項について書面やメールなど形の残るもので明示されていない。
(労働基準法 第15条 労働条件の明示違反)

残業代を貰っていない。
(労働基準法 第24条 違反)
(【証拠】タイムカードや給料明細など証拠を提出。)

以前にも社員を解雇している。
(度々社員を解雇しているような会社は解雇の不当性が高いという見方をされるみたいです。)
(【証拠】自分で証拠を提出しなくても会社が雇用保険に加入していて社員を解雇して雇用保険の手続きをしていれば役所が調べれば分かること。)

求人のときと実際の賃金や業務内容など労働条件が違っていた。
(職業安定法 第65条 第8項 違反)
(【証拠】ハローワークの紹介状と求人票ほか実際の賃金や業務内容が分かる具体的な証拠。罰則(30万円以下の罰金など)が適応されるのはハローワークの求人のみかもしれませんが、他の求人でも違反しているのはよくないと考えられるので求人条件など証拠があれば提出。)

どちらかというと証明しないといけないのは会社の方かも。

上記で身の潔白を示すために色々なことを書きましたが、解雇の場合どちらかと言うと、解雇された従業員に解雇せざるを得なかったような重大な問題があったのかについてきちんとした説明や証拠を提出しなければならないのは会社のほうかなと思います。
例えば、複数の従業員から仕事が出来なかったという嘘の証言があったとしても、会社側はきちんと指導をしていたのかと問われますが、私の相手方の会社は「もっと早く仕事をするように何度も言っていた」としか説明できませんでした。それは注意ではありますが1ミリも指導ではありません。社員教育がきちんと整った会社なら別ですが、仕事を教えるというのはかなり大変ですから、恐らく私の相手方の会社にはきちんと指導したことを説明するのは無理か、説明が出来たとしても、日頃からきちんとした指導なんてしていなかった会社が指導をしていたと説明するのはかなりの労力を要するはずですから、それはそれでいいかなと思っていましたが、予想通り会社側はきちんと仕事の指導をしてきたことを全く説明できませんでした。
自分の身の潔白をきちんと説明するのは大事ですが、ケースにもよりますが従業員側があまり必死になったり根を詰めて確実な証拠を集めて提出する必要はないのかもしれません。
ただやはり明白に身の潔白や会社の不正を証明できたほうが自分の優位に解決金など和解案を提示できると思います。

プロフィール

 

2020年ある日突然解雇される。
弁護士さんに依頼して「労働審判」で金銭的解決という形で解決済。
正社員(無期雇用)ベースの話です。
(ご注意)素人の書いたものなので間違いがあるかと思います。あらかじめご了承のうえ、お読み下さいますようお願いいたします。分からないことは弁護士さんなど専門の方に聞いてね。

(^_^)

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